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矯正歯科

矯正治療とは、一般的には悪い歯並びをきれいにすることをいいますが、

  • 悪い歯並びによって生じる審美(見た目)的な問題
  • しゃべりにくい等の発音の問題、うまくかめない、かみ切れない等の機能的な問題
  • ガタガタの歯並びによってハミガキがうまくできない等の衛生的な問題

これらの予防・改善をすることで歯の寿命を延ばすなど様々な効果を持ち合わせています。
矯正治療は成長期で、乳歯~大人の歯並び(永久歯に生えかわる)までの「第1期治療」と、大人の歯(永久歯)が生えそろった後に歯の位置を整える「第2期治療」があります。

第1期治療

乳歯~永久歯が混じった時期の治療で、おもに成長を利用した治療を行います(~12歳頃まで)。成長を阻害する要因を取り除いたり、骨格的なバランスを整えたり、また、大人の歯(永久歯)の生え方をコントロールしたりします。
一部を除き、永久歯が生えそろってから以下の2期治療が必要となります。

第2期治療

1期治療後に生えそろった永久歯の1本1本に装置をつけ、歯の根までコントロールして最終的な咬み合わせを作ります。

矯正料金

第1期治療 第2期治療 部分矯正治療
検査料 38,500円 38,500円 38,500円
基本料 330,000円 ・第1期治療から移行の場合 330,000円
・第2期治療から開始の場合 660,000円
35,000円〜
処置料 3,300円 5,500円 1,100円
  • ※矯正歯科治療は公的健康保険適用外の自費(自由)診療です。
  • ※矯正治療は基本的に月に1回程度の来院となります。
  • ※治療期間は個人差があり異なりますが、一般的には第1期治療は治療開始から大人の歯並びになるころ(11歳~12歳頃)(例:8歳から始めた場合3~4年間程度)。第2期治療は歯を動かす治療(動的期間)が1年~3年程度で、その後、歯並びを安定させる治療(保定期間)1年~3年程度かかります。具体的には検査および診断結果より判断することとなります。
  • ※矯正治療は先に述べたように様々な効果を持ち合わせていますが、ほかの医療や薬と同様にリスクや副作用(以下参照)があることをご理解ください。ただしすべてのリスクや副作用が生じるわけではありません。

矯正歯科治療に伴う一般的なリスクや副作用について(日本矯正歯科学会より引用)

  • ①最初は矯正装置による不快感、痛み等があります。数日間~1、2 週間で慣れることが多いです。
  • ②歯の動き方には個人差があります。そのため、予想された治療期間が延長する可能性があります。
  • ③装置の使用状況、顎間ゴムの使用状況、定期的な通院等、矯正治療には患者さんの協力が非常に重要であり、それらが治療結果や治療期間に影響します。
  • ④治療中は、装置が付いているため歯が磨きにくくなります。むし歯や歯周病のリスクが高まりますので、丁寧に磨いたり、定期的なメンテナンスを受けたりすることが重要です。また、歯が動くと隠れていたむし歯が見えるようになることもあります。
  • ⑤歯を動かすことにより歯根が吸収して短くなることがあります。また、歯ぐきがやせて下がることがあります。
  • ⑥ごくまれに歯が骨と癒着していて歯が動かないことがあります。
  • ⑦ごくまれに歯を動かすことで神経が障害を受けて壊死することがあります。
  • ⑧治療途中に金属等のアレルギー症状が出ることがあります。
  • ⑨治療中に「顎関節で音が鳴る、あごが痛い、口が開けにくい」などの顎関節症状が出ることがあります。
  • ⑩様々な問題により、当初予定した治療計画を変更する可能性があります。
  • ⑪歯の形を修正したり、咬み合わせの微調整を行ったりする可能性があります。
  • ⑫矯正装置を誤飲する可能性があります。
  • ⑬装置を外す時に、エナメル質に微小な亀裂が入る可能性や、かぶせ物(補綴物)の一部が破損する可能性があります。
  • ⑭装置が外れた後、保定装置を指示通り使用しないと後戻りが生じる可能性が高くなります。
  • ⑮装置が外れた後、現在の咬み合わせに合った状態のかぶせ物(補綴物)やむし歯の治療(修復物)などをやりなおす可能性があります。
  • ⑯あごの成長発育によりかみ合わせや歯並びが変化する可能性があります。
  • ⑰治療後に親知らずが生えて、凸凹が生じる可能性があります。加齢や歯周病等により歯を支えている骨がやせるとかみ合わせや歯並びが変化することがあります。その場合、再治療等が必要になることがあります。
  • ⑱矯正歯科治療は、一度始めると元の状態に戻すことは難しくなります。

不正咬合の種類

上顎前突(じょうがくぜんとつ)
上顎前突(じょうがくぜんとつ)

上の歯が前に出て生えている状態です。または下の歯全体が後ろに位置することでも出っ歯に見えます。この状態だと見た目だけでなく、前歯でくちびるを切ってしまったり、顔を強打したときに歯が折れやすくなります。

下顎前突(かがくぜんとつ)
下顎前突(かがくぜんとつ)

出っ歯とは逆に、上の歯より下の歯が前に出ている状態です。上の顎が小さい、もしくは下の顎が大きいことでも起こります。見た目だけでなく、うまく食べ物が噛めなかったり、滑舌が悪くなる歯並びです。

上下顎前突(じょうかがくぜんとつ)
上下顎前突(じょうかがくぜんとつ)

上の顎・下の顎ともに前に突き出ていいる状態をいいます。

開咬(かいこう)
開咬(かいこう)

噛んでいても前歯がかみ合っていない状態のことです。発音が悪くなったり、前歯でものを噛み切ることが難しくなります。舌の癖や指をしゃぶる癖が原因で起こることがあります。

叢生(そうせい)
叢生(そうせい)

歯がでこぼこに並んでいる状態のことをいいます。この状態は歯磨きのときにブラシがしっかりと届きにくく歯垢が残りやすいため、むし歯や歯槽膿漏の原因になります。

過蓋咬合(かがいこうごう)
過蓋咬合(かがいこうごう)

上の歯が下の歯を覆ってしまう様な深く噛んでいる状態をいいます。下の歯が上の歯茎に当たり口内炎ができたり、前歯が乾くことでむし歯の原因にもなります。

交叉咬合(こうさこうごう)
交叉咬合(こうさこうごう)

上下の噛み合わせが横にずれている状態をいいます。左右の顎に成長の差が出ることにより顔が歪んでしまう場合があります。

空隙歯列(くうげきしれつ)
空隙歯列(くうげきしれつ)

歯と歯の間に隙間ができている状態です。これは顎の骨の大きさに対して歯が小さいことが原因です。隙間があると食べ物が詰まりやすくなり、むし歯や歯周病の原因になります。また隙間から息漏れが生じるのでサ行・タ行・ラ行の発音が悪くなります。

矯正装置の種類

マルチブラケット
マルチブラケット

矯正歯科治療に一番良く使用されているマルチブラケットといわれる装置です。

リンガルブラケット
リンガルブラケット

歯の裏側に装着するため、装置を表に見せずに治療が行える矯正装置です。目立ちにくいため、成人の矯正が増えるにつれて需要が高まっています。表に装着するブラケットよりも価格は比較的高く、装置の調整には時間がかかります。

床矯正
床装置

床装置とは、床(しょう)と呼ばれるプレート状の装置を使い、治療する方法です。装置は取り外しが可能なので、食事や歯磨きがしやすいのが特徴です。特に顎が成長段階の子供の矯正に適しています。

マウスピース型矯正装置(インビザライン)
マウスピース型矯正装置

透明なマウスピースタイプの矯正装置です。
ブラケットやワイヤーを使用しないため、付けているのがほとんどわかりません。マウスピースを2週間ごとに新しいものに付け替えていくことで歯並びを改善していきます。

クリアブラケット
クリアブラケット

審美性に劣る金属ブラケットに対し、目立ちにくい素材で作られたブラケットです。素材は、セラミック、プラスチック、ジルコニアなどがあり、白色または透明・半透明なので金属の物より目立ちにくいのが特徴です。ただし、金属と比べて価格が高く、素材が弱いので壊れやすいというデメリットがあります。